世界唯一のMac セキュリティカンファレンス「Objective by the Sea」リポート
「Objective by the Sea」は、 2018 年非営利団体のObjective-see LLC によって スタートした” 世界唯一 ” の Mac セキュリティ カンファレンスです。世界をリードする macOS セキュリティ研究者、 先進的なMac ユーザーが一堂に会し、大変ユニークにも、毎年世界中のビーチ!!で開催されています。 パンデミックによる中断を経て、本年10 月にスペイン バルセロナで 5 回目の会議を開催されることになり、1 週間に渡って、Mac セキュリティ第一人者による研究分野の発表が行われました。非常に貴重な機会でありながら、ほとんど日本で紹介されることがないため、ご存じでない方が多いのではないでしょうか?
今回、マジックハットで、セキュリティを中心に担当しているエンジニア のNam とMelinda の両名がスペインでのカンファレンスに参加しましたので、そのレポートをお送りします!
元NSA ハッカーが始めた「Objective by the Sea(OBTS)」
2000 年代半ばのApple の有名CM 、Mac はWindows よりも安全で、「PC ウイルス」に感染しないと宣伝をされていたのを覚えていらっしゃるでしょうか?
しかしながら、他のハードウェアやソフトウェアと同様に、Mac にもバグ、脆弱性、App Storeチェックをすり抜けたプライバシーを侵害するアプリ、マルウェア(ランサムウェアも)などが、Windows同様にあります。実際、昨年、13 年以上にわたって何百ものMac コンピュータに感染したスパイウェアが発見され、FBI により、このマルウェアの作成者が起訴されたのも大きなニュースとなりました。
このような状況に警鐘を鳴らすべく、元NSA ハッカーであるパトリック・ウォードル氏が始めたのがOBTS の始まりとなります。彼は、ハッカーとして主にWindows コンピュータをハッキングし、その後MacOSにもいくつも問題があることを発見。多くの企業がMac を使用している今、Mac のセキュリティについて人々に啓蒙し、伝えたいといとの思いがありました。面白いことに、このAppleのセキュリティカンファレンスには、「Apple 社からの参加者はいない」とのApple のスポークスマンは表明していますが、OBTS 関係者によるとセキュリティの担当のApple 社員も内々に参加しているとのことです。
カンファレンス内容
カンファレンスの内容がどのようなものかと言うと、最初の 3 日間は、Mac の脅威検出と防御に関するトレーニングにフォーカスします。参加者はインストラクターと緊密に連携し、デバイスを悪意のある攻撃から保護するためのツールとテクニックを実践的に学びます。 世界唯一の Mac を中心としたセキュリティ カンファレンスであるため、専門家から学ぶだけでなく、世界中から集まった他の参加者とネットワークを作り、学ぶ貴重な機会ともなります。 前半のトレーニングセッションは、通常、週の後半の公開講義よりも参加者が少ないため、熱心な学習者と少数のグループとのつながりを作れるなどのメリットがあります。
そして、最後の 2 日間は、さまざまな研究者、経験豊富な IT スペシャリスト、および Mac セキュリティ愛好家が率いる講演として、より幅広い参加者グループに開放されます。無数の最先端の研究トピックに関する講義が予定されており、講義の合間に食事の休憩や、よりカジュアルな雰囲気で他の参加者と話す機会があります。さらに、毎晩ビーチで懇親会が開催され、参加者は日中のつながりを深めながら素晴らしいロケーションを楽しむことができます。
ハッカーがビーチ始めたカンファレンスらしく、セキュリティのカンファレンスとは思えないカジュアルさです。
Nam とMelindaの 2 人のエンジニアは一週間のトレーニングと講義の両方に参加することができました。この会議はすべて英語で行われるためか、残念ながら日本人はほとんどいません。 しかし、タイとハンガリー出身の 2 人の若いエンジニアにとって、初めての出張で研究を進める絶好の機会となり、その素晴らしい内容を、是非日本の皆さんにも共有できればと思っております!
これから2人が興味を持ったトピックを。数回に分けて投稿していく予定です。ぜひ興味のある方は今後もエンジニアブログをお読みいただけると嬉しいです
Nam
Melinda
イベント全体と、彼らが緊密に協力しているさまざまな慈善団体の詳細については、OBTS の Web サイトをご覧ください。
以上、 今回はビジネスディベロップメントのグレースが担当いたしました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。