Ventura へのアップグレードの仕組み & Jamf Proで制限する方法(macOS Monterey端末用)
macOS Monterey 以前のOSアップグレードの仕組み
OSアップグレード(メジャーOSのアップデート)をするための方法は以下です。
システム環境設定>ソフトウェアアップデートからアップグレード
App Storeからインストーラをダウンロードし、インストール
コマンドラインを使用
(Jamf Pro使用の場合) リモートコマンドを送信など
いくつか方法はありますが、どの方法も新OSのインストーラアプリをダウンロードをしてインストーラを起動し実行します。
そのため、OSアップグレードしないようにするには、新OSのインストーラのプロセスを強制終了することで対応可能でした。
そのため、例えば Jamf Pro を使用している場合は、「制限付きソフトウエア」の機能を使用してプロセスを制限する対応のみでアップグレードを止めることができました。
macOS Ventura からアップグレードの仕組みが変わった。。
Monterey( macOS 12.3以降)からVenturaにアップグレードする仕組みが
変わり、システム環境設定のソフトウェアアップデート経由で、 アップグレード
する時に完全な新OSインストーラをダウンロードしたり、ユーザが管理者として認証する必要がなくなりました。
そのため、従来のOSアップグレードの制限方法(Jamf Proの制限付ソフトウェア)を使用しても制限ができなくなりました。
Jamf Pro で macOS Ventura へのアップグレード制限まだ可能?
制限することは可能ですが、制限する方法はOSによって異なっています。
① OSアップデート通知の延期設定(新OSアナウンス日から最大90日まで)
構成プロファイル→制限→Functionalityタブで「X のアップデートを<Only major software updates>Y 間延期する」を設定すると、通知の延期が
できます。
ただ、macOS 12.3–12.6を搭載したコンピュータでは、OSのアップグレードがマイナーアップデートと同様に扱われる不具合があり、ユーザのプロンプトによりアップデートが行われてしまいます。
macOS 12.3–12.6を搭載したコンピュータで通知の延期をするには、
構成プロファイル→制限→Functionalityタブで「X のアップデートを<Software Updates>Y 間延期する」に加えて、「メジャーソフトウェアアップデートを
含む」という項目のチェックを入れます。
または、macOS 12.6.1 以上へOSアップデートします。
② OSアップグレードを制限
macOS 12.3より前のOSを搭載したコンピュータや、新OSのインストーラを
ダウンロードしてアップグレードする際は、OSインストーラーのプロセスが実行されるため、Jamf Proの「制限付きソフトウェア」で Ventura のインストーラ(Install macOS Ventura.app)をプロセス名に設定することで制限ができます。
macOS 12.3以降を搭載したコンピュータでOSアップグレードをする際、
システム環境設定のソフトウェアアップデート経由で実施すると、OSインストーラのプロセスが起動しないため、Jamf Pro の「制限付きソフトウエア」で
アップグレードを制限することができません。
そのため、ソフトウエアアップデートによるアップグレードを実施されないよう、構成プロファイルで以下設定を展開します。
① ソフトウェアアップデートへアクセスができないように設定
→ [制限] ペイロード:PreferencesタブでSoftware Updateを無効にする
② OSアップデートを自動的に実施しないように設定
→ [ソフトウェアアップデート] ペイロード:以下のチェックを外す
・macOS アップデートを自動的にインストールします
・アップデートを自動的に確認します
※スコープは、MacOS 12.3 - 12.6.5 を搭載したコンピュータグループを指定
※ソフトウェアアップデートを自動でインストールを制限するので、
OSアップデートをする場合、Jamf のリモートコマンドで送信
または、構成プロファイルのスコープから外してください。
まとめ
macOS Ventura へのアップグレード制限は、macOS のバージョンごとに
以下3パターンに整理することができます。
ここまでアップグレード制限についてまとめましたが。。。
基本的にはアップグレードの制限はお勧めしません。
業務要件やセキュリティソフトの互換の問題など、避けられない問題がある場合のみ制限を実施してください。
セキュリティの観点からも macOS Ventura へアップグレードをお勧めします。
以上、 今回はエンジニアのナトニチャが担当いたしました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。